令和7年3月23日、講道館において、「令和6年度 東京・関東地区対抗選抜柔道大会」が盛大に実施された。
本大会の開催趣旨は、平素、学校、実業団、個人道場及び各種柔道クラブ等において、柔道の指導に当たってい
る高段者を対象に、東京地区、関東地区からそれぞれ同数の選手を選抜して覇を競い合い、指導者の技術の向上
と活性化を図り、講道館柔道の普及発展と各都県における競技力の向上に寄与する、である。
今年、14回目を迎える本大会には、東京又は関東地区内に在住し、都・各県柔道連盟より選別された講道館
柔道六段及び七段の段位を取得、さらに平素柔道を指導している選手が参集した。総勢75名、その内訳は六段
56人、七段19人だった。約80人に及ぶ紅白帯を締める選手たちが一堂に会する姿は極めて壮観だった。
開会式においては、大会会長である鳥海又五郎東京都柔道連盟会長より、選手らに対する平素の活躍などに
表敬の意が伝えられるとともに、「日頃より鍛えた技と力を遺憾なく発揮し、一本をとる柔道を」と要望が示された。
また、それに続く試合上の注意では、審判規定に関する事項ほか、審判長である川島一見東京都柔道連盟審判委員長
より、「積極果敢な柔道を」という言葉が使われ、選手一同に敢闘精神の発揮を促した。
開会式終了後、両チームは相互に礼を行い、粛々と試合が開始された。試合の運びは順調であり、当初、一進一退を
続けたが、中盤以降、関東地区の勝ちが目立つようになった。最終的には関東地区の勝利数21に対し、東京地区の
勝利は10にとどまり、引き分けは7つ、よって、関東地区の勝ちとなった。特筆すべき事項として、38試合のうち、
26試合の勝敗が一本で決まったことだ。正に各選手が積極果敢、一本をとる柔道を目指し、最後まで諦めずに戦った
証左となった。
一本をとった時の喚声、勝者に対する惜しみのない拍手、両者の最後まで力を尽くし、戦った選手への賞賛は、勝敗
を超えたものがあると感じられた。また見る者に高段者の匠の技に目を奪われ、感動を与えたに違いない。
全試合終了後、本大会顧問である小山泰文東京都柔道連盟副会長からは次のような所見をいただいたので紹介したい。
「高段者の大会に相応しく、礼法については厳正を維持して良かった。また試合数38のうち26試合が一本で勝負か決ま
っており、各選手は日頃の鍛錬の成果を十分に発揮した大会だったと言える。試合を見ていると立技、寝技の攻防を通じ、
相手を制する試合の流れ、自己流の「型」を極めた技ができていた。つまり、各選手は勝つためのパターンを持っている
と言える。大変見応えのある戦いであった」。
加えて、試合の整斉とした進行については、岡部洋興八段顧問審判員をはじめとする6人の審判員、大会を支える大会
委員会をはじめとするすべての役員の活躍があったことは言うまでもない。全試合を通じ、大きな怪我などもなく終了で
きたのも良かったと付言する。
閉会式では、鳥海又五郎大会会長より26人の選手に対する技術優秀賞表彰、10回(1人)、5回(5人)の各永年出場
表彰が行われた。
なお、大会終了後は懇親会も催された。懇親会での話題は自ずと柔道に関することとなり、誰々先生を知っているとか、
うちの道場ではこういうことをしているなどと柔道談議に花を咲かせていた。お互いの健闘を讃たえ、懇親を深め、正に
大会の開催趣旨に副ったものであった。
これまで見てきた通り、東京・関東地区対抗選抜柔道大会は本年度を締めくくる大会となった。本大会は、礼法はもち
ろんのこと、柔道を指導している柔道家たちの熱い戦いが繰り広げられ、柔道へ真摯に向き合う選手たちは活模範となって
いる。本大会が今後も発展し、末永く続くことを期待するとともに、是非多くの方のご来場を賜り、ご覧になっていただけ
ればと感じた次第である。
(文責:大会委員会 関口高史)
【永年出場表彰】
10回表彰 | 七段 | 大塚 忠 | おおつか ただし | 千代田区 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
05回表彰 | 七段 | 徳留 義見 | とくとめ よしみ | 千葉県 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
六段 | 栗山不二夫 | くりやま ふじお | 栃木県 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
六段 | 茂木 恒 | もぎ ひさし | 群馬県 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
六段 | 小峰 義次 | こみね よしつぐ | 練馬区 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
六段 | 北島 吉郎 | きたじま よしろう | 渋谷区 |
日 時:令和7年3月23日(日)開会式 午後2時~ (集合 午後1時)
会 場:講道館 新館6階 女子部道場
詳しくは大会要項をご確認ください。※帯について追記いたしました
又、出場選手の決定については、加盟団体及びご本人宛に通知いたします。
申し込み締め切り:令和7年2月10日
申し込みはこちら:エントリーシート
申込み送信先アドレス:moshikomi@tojuren.or.jp
また大会終了後、親交を深める為の懇親会を開催いたします。
詳しくは懇親会のご案内をご確認ください。
この件に関する問合せ先:公益財団法人東京都柔道連盟 事務局
TEL:03-3818-5639 ・ 03-3818-4246
FAX:03-3818-5644
Mail:tojuren@tojuren.or.jp