2024お役立ち情報  ⑪小内刈・小外刈りの工夫

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2024お役立ち情報  ⑪小内刈・小外刈りの工夫

2024お役立ち情報  ⑪小内刈・小外刈りの工夫

私が講道館少年部を指導するようになった頃、当時の先生方に「向井君、講道館少年部では『足技』の指導を最も大切なものと位置付けている。正しい姿勢と組み方で適度な間合いを取り、力に頼らないタイミングの良い『足技』を掛けることができるよう指導を工夫しなさい」と言われていました。なるほど当時を振り返ると、少年部の子どもたちは少人数な上に試合等で勝てるレベルではありませんでしたが、『足技』だけは有段者にも勝る技の切れを見せていました。当時の先生方の理論的で熱心な指導の賜物であったことは、間違いありません。

私自身の『足技』を振り返ってみると、個々の技についてはそれぞれ工夫して練習していたものの、「払い」と「刈り」の違い等の理論も理解しておらず、系統だった反復練習の積み重ねもできていませんでした。まずは、自分自身の『足技』から見直そうと考え、大澤慶己十段をはじめとした先生方に教えを請いました。33才で山口香・持田典子さんらと一緒に女子強化コーチを拝命したのですが、強化合宿における練習の合間に足技を指導してもらったのを昨日のことのように思い出します。ふわりと組んで足技だけで乱取をする「足技選手権」という練習をよくやったのですが、当初は彼女たちにまったく歯が立ちませんでした。

技にはいろいろな掛け方があります。特に『足技』は、軽快な動きで相手より速く動いて体をさばき、都合の良い場所に体を移動させながら相手を崩してタイミング良く技を掛けることが必要です。また、その技を掛けきって投げることを大切にしながらも、技の連絡等を見据えた工夫も重要だと考えています。

小内刈の基本の入り方(右組み、取りからの視点で解説)

  • ⓵右組みに組みます
  • ②右手は、胸に当てて受けの体を押し上げ、引き手は右腰下の方向に引いて両手のわきを締めます
  • ③右足を受けの前に進め、左足を右足かかと後方に回し込み、受けの重心を右後方に崩します
  • ④左足の膝を曲げて体を支え、右足裏を受けの右足かかとにあて受けのつま先方向に鋭く刈ります
  • ⑤つま先を伸ばし、足首を返して力を入れ、受けのつま先方向に足を開かせるように刈りましょう

小外刈りの基本の入り方(右組み、取りからの視点で解説)

  • ⓵右組みに組みます
  • ②左足を受けの右足外側に踏み込み、右足はそのかかとのすぐ後ろに着いて体を開きます
  • ③左手は肘を絞るように引き下げ、右手は釣り上げぎみに押して、右後ろすみに崩します
  • ④右足で体を支え、左足裏を受けの右足かかとにあて、受けのつま先方向に鋭く刈ります
  • ⑤右手は押し左手は下方に引きながら、受けの右足つま先の方向に鋭く刈ります

 

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