2024お役立ち情報  ⑨寝姿勢における攻防に関する考え方

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2024お役立ち情報  ⑨寝姿勢における攻防に関する考え方

お役立ち情報 ⑨寝姿勢における攻防に関する考え方

寝姿勢における攻防を考える際、姿勢や体捌き、手や足の使い方といった寝技の基礎基本は最も大切なものである。この基本をないがしろにして、YouTube等ですぐ目にすることができる「有名選手の技」をただ真似するだけの寝技が多くなり、応用力のない自分勝手な寝技しかできない選手が多くなってきていると感じる。

元々、寝技の醍醐味は、将棋や囲碁のように相手の先を読みながら、動きに対応して行くところにある。その為には、寝技の基礎基本をしっかり身に付けた上での柔軟な応用力が必要である。逆に言えば、寝技は基礎基本をしっかり身につけ、あきらめないで粘り強く、時間をかけてよく考えた稽古をして行けば誰でも強くなれるのである。立技における技のキレは、ただ努力すればつくというものではない。そこには、天性の才能がかなり大きなウエイトを占める。しかし、寝技においては才能の占める割合は、かなり小さくなるのである。外国選手と戦う上で、寝技は大きな武器となる。今こそ、原点にかえって寝技の稽古のあり方について見直すことが必要である。皆さんが、自信を持って使える寝技を身につけることができるよう練習内容を工夫して欲しいと願っている。

寝姿勢における攻防を考える際、姿勢や体捌き、手や足の使い方といった寝技の基礎基本は最も大切なものである。この基本をないがしろにして、YouTube等ですぐ目にすることができる「有名選手の技」をただ真似するだけの寝技が多くなり、応用力のない自分勝手な寝技しかできない選手が多くなってきていると感じる。

元々、寝技の醍醐味は、将棋や囲碁のように相手の先を読みながら、動きに対応して行くところにある。その為には、寝技の基礎基本をしっかり身に付けた上での柔軟な応用力が必要である。逆に言えば、寝技は基礎基本をしっかり身につけ、あきらめないで粘り強く、時間をかけてよく考えた稽古をして行けば誰でも強くなれるのである。立技における技のキレは、ただ努力すればつくというものではない。そこには、天性の才能がかなり大きなウエイトを占める。しかし、寝技においては才能の占める割合は、かなり小さくなるのである。外国選手と戦う上で、寝技は大きな武器となる。今こそ、原点にかえって寝技の稽古のあり方について見直すことが必要である。皆さんが、自信を持って使える寝技を身につけることができるよう練習内容を工夫して欲しいと願っている。

四つんばい(カメ)の攻め方=両腕をかかえてⅠ

  • 四つんばいの相手に対して左側方から右手は胸の下、左手は顔(あご)の下を通し、右上腕で

手をあわせます。

  • 両手で相手の右腕を手前に強く引きつけながら足の指を立てて胸で押すようにして返します。
  • 回転したときに乗りすぎないように注意しながら左腋に相手の右腕を抱え、左手で相手の袖上

部を持って腰を切り、右手を相手の左腋下に差し入れて崩れけさ固めに抑えます。

四つんばい(カメ)攻め方=両腕をかかえてⅡ

  • 四つんばいの相手に対して左側方から右手は胸の下、左手は顔(あご)の下を通し、右上腕で

手をあわせます。

  • 両手で相手の右腕を手前に強く引きつけながら、足の指を立てて胸で押すようにします。
  • 相手が右足を横に伸ばして防御します。
  • 体を右に移動させ(相手の体に近づくように)、相手の右肩の方向に向かって胸で押しながら、

右腕を強く引きつけます。

  • 相手の右肩方向に回転させて返し、左腋に相手の右腕を抱え、左手で相手の袖上部を持って腰を切り、右手を相手の左腋下に差し入れて崩れけさ固めに抑えます。

四つんばい(カメ)の攻め方=両腕をかかえてⅢ

  • 四つんばいの相手に対して左側方から両手で相手の両腕をかかえに行くと、相手はこれを嫌が

り右手・右足を横に伸ばして防いできます。

  • これに対して、右手で相手の右襟を持ち(できるだけ上の部分を人差し指から小指の四指を中

にして持つ)、左足は相手の頭の上の方に伸ばし、左手で相手が伸ばした右腕の袖を持って頭上に

伸ばした足の方向に手首を返すようにして引き出します。

  • 左手で相手の右腕を引き出すと同時に、襟を持った右手は拳を下にして手首で相手のあごを上

げるようにして相手の体を回転させます。

  • 相手の左腕を腋に抱え込むように手前に引き、腰を切って体をよせてけさ固めに抑え込みます。

四つんばい(カメ)の攻め方=腕をかかえてⅣ

  • 腕をかかえてⅡのように右手で相手の右襟を持ち、左手で右腕を引き出しに行くと相手はこれ

を嫌がり、上体を起こし立ち上がって守ろうとします。

  • これに対し、体を右にひねりながら左膝をつき右膝を立てた姿勢になり、右腕で相手の

あごを上げるようにして肩に手をかけ相手の頭を引きつけます。

  • 左膝を軸にして、立てた右膝を開きながらさらに大きく体を右にひねって倒します。
  • 倒しながら、すかさず相手の左腕を右腋にかかえ、けさ固めで抑え込みます。

四つんばい(カメ)の攻め方=相手の頭の方から腋をすくってⅠ

  • 四つんばいの相手に対して、頭の前に正座して座ります。
  • 相手に左手を真横に上げてもらい、足の指を立てて起きあがります。
  • すぐさま左手で帯を持ち(親指を帯の下から入れ、次に上から4本の指で握るようにし、5本

の指でしっかり握りましょう)、右手は相手の左肩口から差し入れて腋をすくいます。

  • 相手の体の左側方に移動しながら、左腕の手首を右手5本の指でしっかりと握ります。
  • 足の指は立てたままにして上体を低くし、胸で相手の肩を下から押し上げるようにして、相手

の体を回転させます。

  • 左手は、相手の左肩越しに帯を持ったまま、右手は相手の下ばきに持ちかえ、手首を返して横

四方固めに抑え込みます。

四つんばい(カメ)の攻め方=相手の頭の方から腋をすくってⅡ

  • 四つんばいの相手に対して、頭の前に正対して座ります。
  • 左手で帯を持ち、腋を締めている相手の体を肩の方向に転がす動きを入れます。相手が転がら

ないよう手を出してきたタイミングに合わせて足の指を立てて起きあがります。

  • 左手で帯を持ったまま、右手は相手の左肩口から差し入れて腋をすくいます。
  • 相手の体の左側方に移動しながら、自身の左手首を右手5本の指でしっかりと握ります。
  • 足の指は立てたまま上体を低くし、胸で相手の肩を下から押し上げるように押します。
  • 相手はこれを耐えようとして、右手・右足を横に伸ばして防いできます。
  • すかさず、左手を帯から離して相手が伸ばした右腕の袖を持ち、右手は相手の背中に当てます。
  • 同時に左足は相手の頭の上の方に伸ばし、その足の方向に右袖を持った手の手首を返すように

して引き、両手を働かせて相手の体を回転させます。

  • 左腋に相手の右腕を抱え、左手で相手の袖上部を持って腰を切り、右手を相手の左腋下に差し

入れて、崩れけさ固めに抑えます。

*「両腕を抱えて」行う場合と「腋を掬って」行う場合がありますが、基本的な考え方は同じです。

 これらの基本的な考え方をもとに考えられ、世界選手権・オリンピック等でも効果を上げている

攻め方が、俗名で「腹包み」などと称されて行われているものです。いきなり、「腹包み」などを

真似するのでなく、基本の形を何度も繰り返し練習してから、徐々に発展させていきましょう。

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