じゅうどうLab Vol.11 打込アラカルト
ジュニア強化選手時代、合宿に行くととにかく打ち込みをやらされました。当時のコーチは「技を作るのは打ち込み」と言い、何度も打ち込みを矯正してくれました。私が指導者になった今、やはり稽古で大切なのは打ち込みだと強く思います。
一方で、打ち込みが乱取前のウォーミングアップになっている選手を見かけますが、これは勿体ない。また常々思うのですが、相手が好きなところを持たせてくれて、両足が揃っている。こんな状況、相手が白帯であってもまずないと思います。ある程度、基礎ができたら打ち込みは様々なパターンで取り組むことをお勧めします。今回は以下の5つを紹介します。
1.奥襟ずらし
2.円の打込
3.ケンケン打込
4.同一モーション
5.受けの打込
これらに加えて、持つ位置を微妙に変えて「必ずしも完璧な状態ではない組手」で取り組むことも大切だと思います。私は生徒が上手になるためにはどういう打ち込みがよいか考えていたところ、教えるうちに自分が少し上手になってきました。いまは足技コンビネーションの打ち込みを研究中です。
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【じゅうどうLab】
今年度よりこちらの「お役立ち情報」でコラムを担当することになりました小室宏二です。このコーナーは「じゅうどうLab」と題し、柔道の技術や練習・指導方法、考え方などを紹介していこうと考えております。画像や動画なども交えながら、なるべくシンプルに、そして少しでも柔道のスキルアップや指導の参考になるようなものを紹介していこうと思います。
【参考】
「柔道固技教本」 小室宏二著 晋遊舎 2011
「DVD柔道固技上達法」 小室宏二著 クエスト 2009
YouTube「KOMLOCK 柔道 JAPAN」
https://www.youtube.com/channel/UCJr_RJ2_VqiyTRy6abbo8hA
【プロフィール】
小室宏二(こむろこうじ)
早稲田実業学校 教諭 柔道部監督
筑波大学・大学院卒業
足立学園講師、講道館道場指導部、東京都市大学付属中学校・高等学校教諭を経て現職
現役時代に培った固技技術を、国内外の試合に参加しながら実践し指導・普及を行っている