じゅうどうLab vol.3

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じゅうどうLab vol.3

じゅうどうLab Vol.3  『テッポウ返し』

 

 現在の国際ルールでは抑え込みは20秒で一本となり、10秒で技ありとなります。一方、講道館ルール(全国・東京都高段者大会など)では30秒で一本、25秒で技ありです。つまり一本については10秒の差があり、技ありに至っては15秒もの時間差があります。投げて技ありを取り抑え込んだ場合、国際ルールなら10秒、講道館ルールなら25秒で「合わせ技一本」となります。大きな違いがありますね。

 

30年ほど前は国際ルールであっても抑え込みにおける一本は30秒でした。いまの短縮された時間差は選手から「逃れようとする技術(時間)を奪った」と私は考えています。抑え込みから逃れる場合、どうしてもその作りや仕掛けに時間がかかってしまうからです。10数秒では間に合わないかもしれません。そのため抑え込みから逃れる練習を普段から取り組んでいるチームは少ないのではないでしょうか?

 

逃れる技術がないから簡単に抑え込める(諦める)

簡単に抑え込めるから抑えるチカラが身につかない

という良くない循環がチーム全体、柔道界全体に起こっているのではないでしょうか?

 

逆にチームで逃れる技術をしっかり鍛えていたとします。

そうすると簡単に抑え込むことができませんから、抑える方は抑え方を工夫し、逃げようとする方向を予測するようになります。この両者の攻防が抑えるチカラ、そして逃れるチカラを鍛えることができるようになります。

 

今回の動画ではテッポウ返し(袈裟固、横四方固)を2つ紹介します。横四方固のテッポウ返しなんて物凄いパワーが必要なのでは、と思ってしまいますが必要なのはエビの動作と角度だけです。横に崩すような方向で十分返すことができます。

 

これらの「逃れ方を身につけることでチームの抑えるチカラを育む」ことに取り組んでみてはいかがでしょうか?

 

Youtube

https://youtu.be/UNjxLAvj3Bk

 


【じゅうどうLab】 

今年度よりこちらの「お役立ち情報」でコラムを担当することになりました小室宏二です。このコーナーは「じゅうどうLab」と題し、柔道の技術や練習・指導方法、考え方などを紹介していこうと考えております。画像や動画なども交えながら、なるべくシンプルに、そして少しでも柔道のスキルアップや指導の参考になるようなものを紹介していこうと思います。

 

【参考】

「柔道固技教本」 小室宏二著 晋遊舎 2011

「DVD柔道固技上達法」 小室宏二著 クエスト 2009

YouTube「KOMLOCK 柔道 JAPAN」 

https://www.youtube.com/channel/UCJr_RJ2_VqiyTRy6abbo8hA

 

【プロフィール】

小室宏二(こむろこうじ)

早稲田実業学校 教諭 柔道部監督

筑波大学・大学院卒業

足立学園講師、講道館道場指導部、東京都市大学付属中学校・高等学校教諭を経て現職

現役時代に培った固技技術を、国内外の試合に参加しながら実践し指導・普及を行っている

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