じゅうどうLab vol.2

menu close
お問い合わせ
柔道の魅力

お役立ち情報

じゅうどうLab vol.2

じゅうどうLab  Vol.2  横四方固の打ち込み

 

 前回は「守り」を意識した体捌きを紹介しましたが、今回は「攻め」の動きです。柔道の寝技で最も大切なことは、立ち姿勢から寝姿勢に移行するときの「際」にあると考えています。私はそれを「寝際(ねぎわ)」と呼んでいます。今回は寝際の体捌きを向上させる「横四方固の打ち込み」を紹介します。

 

相手を投げた後、多くの場面で相手は背中を向けカメになろうとします。手前にあるのが右腕なら、自分も同じ右腕を引っかけます。相手に体重を掛けながら回り込み、腕を差し替えてから横四方固で抑え込みます。

 

このとき、小学生だとどちらの腕を引っかけて良いのかわからない時があります。その際はテープなどを巻くようにすると視覚、感覚的に判断ができ、繰り返していけば体で覚えることができます。また相手に体重を預けながら移動(回転)することは簡単にはできません。ウォーミングアップの一環でカメの背にムネを乗せ、グルグル回ってから稽古に入るとスムーズです。

 

寝技で重要な技術の一つである「腕縛り」もこの打ち込みの中で覚えることができます。これができると、身体の大きい・力の強い相手を制することができるようになります。またこの「腕縛り」は「腕緘」とセットで行うことをお勧めします。腕緘を耐えようと相手が帯を握ったら縛り、縛りを逃れようとしたら腕緘を極めにいけます。一般的に、関節技の打ち込みそのものが少ないので、これで極め方に慣れておくのも一興です。

 

最後に、基本の形に受けの「エビ」を加えることを強くお勧めします。エビをどの場面で使うのか、分からないまま行っていることがあります。端的にエビの使い方を覚えるのにこの横四方固の打ち込みは最適です。
 

Youtube

https://youtu.be/1qUnPpO348g

 

【じゅうどうLab】 

今年度よりこちらの「お役立ち情報」でコラムを担当することになりました小室宏二です。このコーナーは「じゅうどうLab」と題し、柔道の技術や練習・指導方法、考え方などを紹介していこうと考えております。画像や動画なども交えながら、なるべくシンプルに、そして少しでも柔道のスキルアップや指導の参考になるようなものを紹介していこうと思います。

 

【参考】

「柔道固技教本」 小室宏二著 晋遊舎 2011

「DVD柔道固技上達法」 小室宏二著 クエスト 2009

YouTube「KOMLOCK 柔道 JAPAN」 

https://www.youtube.com/channel/UCJr_RJ2_VqiyTRy6abbo8hA

 

【プロフィール】

小室宏二(こむろこうじ)

早稲田実業学校 教諭 柔道部監督

筑波大学・大学院卒業

足立学園講師、講道館道場指導部、東京都市大学付属中学校・高等学校教諭を経て現職

現役時代に培った固技技術を、国内外の試合に参加しながら実践し指導・普及を行っている

PAGE TOP