【運動中の熱中症対策】
気温の高い日が増え、夏が近づいていることを感じます。これからの季節は、運動中の熱中症が心配です。熱中症への備えは十分にできているでしょうか。
暑い環境で運動すると、体温を下げるために汗をかきます。そこで体から失われた水分を回復させるために、十分な水分補給をすることが大切です。運動中は定期的に休憩をとり、こまめな水分補給を行いましょう。
汗は水以外にも、ナトリウム(塩分)などの電解質を含んでいます。運動中の水分補給は水やお茶よりも、水と同時に失った電解質も摂取できるスポーツドリンクなどがおすすめです。
そして、水分補給が足りているかを、簡単にチェックする方法が2つあります。
① 【運動前後の体重を測定する】
運動後に体重が減っている場合、その減少の大部分は水分だと考えられます。
② 【尿の状態を確認する】
運動後に、ふだんより尿の色が濃かったり、量が少なかったりする時は、水分が足りていないことが原因として挙げられます。
☆どちらも、簡単に行える方法なので活用してください。
熱中症は室内でも発生します。練習会場は風通しの良い状態になっているでしょうか。
また、体の熱を逃がすために、休憩時は着衣をゆるめたり、氷で冷やせるように準備しておくことも大切です。
休憩中や練習後にエネルギー補給をする選手もいると思います。体温が上がっている時は、しっかり冷やした果物もおすすめです。
これから夏に向けて多く見るようになる、桃やスイカなどは、お好きな選手も多いのではないでしょうか。
ここまで、練習前や練習中の対策をお話ししてきましたが、熱中症対策には日常の規則正しい生活を送ることも大切なので忘れないでください。
・朝ごはんを抜いていませんか?
私たちは、寝ている間にたくさん汗をかきます。水分や電解質を回復させないまま運動するのは危険です。水分補給と同時に、必ず朝ごはんを食べましょう。
朝ごはんがお米やパンのみになっていませんか?例えば、そこに野菜が入った汁物を添えてみて下さい。水分と電解質を摂取できる朝ごはんになります。お湯を注ぐだけで作れるものでも、乾燥わかめなどを足すと良いです。
(ここにたんぱく質が入ると、さらにバランスの良い朝ごはんになります。)
・体調は良いでしょうか?
寝不足や風邪の時など、体調が悪いときに運動すると熱中症になりやすいです。運動前に必ず体調を確認し、無理はしないでください。
体が暑さに慣れていない5~6月は、真夏ほど気温や湿度が高くなくても熱中症が発生しやすい時期と言われています。無理をせず、少しずつ体を慣らしていきましょう。
熱中症は命にかかわることもあります。安全に柔道に取り組むために、十分な対策をよろしくお願いします。
【プロフィール】
栄養士 源馬 早記(げんま さき)
企業で栄養士として経験を積んだ後、スポーツ専門の栄養士として活動開始。アスリートの個人サポート、セミナー、スポーツ現場での栄養相談などを実施。成長期の選手、女性アスリートのサポートに力を入れている。